2019年公開。監督は中川龍太郎、主演は松本穂香。ひとりの若い女性が自分の力で自分の居場所を見つけていく過程を描く。物語に派手さは無くても時間がゆっくり流れる清らかでノスタルジックな空気感と優しく寄り添う雰囲気・音楽がとても心地よい。主題歌の「光の方へ」が素晴らしい、カネコアヤノはこの類いの邦画との相性抜群のイメージ。
"自分は光をにぎつてゐる
いまもいまとてにぎつてゐる
而もをりをりは考へる
此の掌てのひらをあけてみたら
からつぽではあるまいか
からつぽであつたらどうしよう
けれど自分はにぎつてゐる
いよいよしつかり握るのだ
あんな烈しい暴風あらしの中で
摑んだひかりだ
はなすものか
どんなことがあつても
おゝ石になれ、拳
此の生きのくるしみ
くるしければくるしいほど
自分は光をにぎりしめる"