たく

わたしは光をにぎっているのたくのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
3.5
再開発で変わっていく東京の街にひっそりと暮らす人々にスポットを当てつつ、上京してきた一人の女性の成長を描く話。
定点カメラ中心の動かない画がまるで時間が止まってしまったかのような古い街並みをうまく表してた。ちょっと「長江哀歌」を思わせたりしてね。
全編ほとんど人物のアップがなく、長回しの多用で会話の間もあまり良くないのが観てて少々キツかった。

両親を亡くしてる澪を演じた松本穂香が終始無口でオドオドした感じなのが、彼女の演技力からしてもったいないなと思った。キャラを演じ切ってると言えなくもないけど、彼女はもっと強めの役の方が活きる気がするね。
バイト先の年下の女子高生から「何でも察してくれると思わないでください」ってダメ出しされるシーンと、みかん湯を告知しなくてアレルギーでクレームつけられるシーンは怖かった。
あと、途中で出てくる不倫カップルのクリスチャンの男がめちゃくちゃ面白い。

それにしても銭湯の音って何でこんなに落ち着くんだろうね。「メランコリック」みたく夜の処刑場にならなくてホッとした(笑)
たく

たく