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わたしは光をにぎっているのcalinkolincaのレビュー・感想・評価

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)
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昨年観た「四月の永い夢」がとても良かった、中川龍太郎監督作。
東京に出てきて下宿先の銭湯で働き始めたひとりの女性が、あるひとつのことを「ちゃんと終わらせる」物語です。
極端に台詞の少ない役を演じているのに、凛とした存在感が際立っていた主演の松本穂香さんを始め、彼女の面倒を見てくれるぶっきらぼうだけど優しいおじさん役の光石研さん、今、無邪気で少し軽薄な青年をやらせたら右に出る者はいない渡辺大知さん、姉御肌でしっかりものの女性がハマっていた徳永えりさんなど皆、出演陣が演技が達者で、とても見ごたえがありました。
決して言葉数の多い作品ではないのに、映像と「間」で多くのことを訴えかけて来るような、そんな作品です。
特に松本穂香さんが祖母の「出来ることからひとつずつ、出来ないことより出来そうなことから。小さなことでもいいから。」の言葉を彼女は全うしたんだな、と思わされるラストシーンには静かだけど、とても大きな感動がありました。
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