tama.

ウォルター少年と、夏の休日のtama.のレビュー・感想・評価

4.0
「ずっと大切な人の側にいたい」、「となりでいつまでも元気で生きていてほしい」

やっぱり号泣してしまいました。

この映画はとりわけ特別なストーリーではない。ただ主人公が、短気で頑固で負けず嫌いで喧嘩早くて、だけど誰よりも強くてかっこいいおじいちゃん(正確には伯父)たちに、誰でも1度は想ったことのある、「ずっと側で生きていてほしい」「いなくならないでほしい」、というあの想いをライトアップした素朴にして稀有な作品である。
自分はこの映画をみて特に映画特有の装飾めいたものは感じなかった。ただ、純粋に「大切な人を失いたくない」、もっと飾らずいえば、「死んでほしくない」、「ずっと生きていてほしい」、という想いをそのまま投影したような映画。
むかし自分も、大好きな祖父母がいずれは死んでいなくなってしまうことに怯え何度も泣いたことがある。歳をとるにつれて、人は必ず死ぬものだと割り切り、死を避けて通れない人間の運命や照れに邪魔されてこの気持ちを上手く伝えられなくなる。主人公の少年の「ずっと僕の側にいて」。おじいちゃんたちへの素直な叫びをきいてはっとして、気づくと涙があふれていました。

おじいちゃんたちがもうかわいくてかっこよくて、素直に泣きたいときにおすすめの映画です。
tama.

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