カナグ

THE QUAKE ザ・クエイクのカナグのネタバレレビュー・内容・結末

THE QUAKE ザ・クエイク(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

『Skjelvet』鑑賞。

まさかの続編。
ディザスター系で2作目があるのは中々珍しい。

おい……クリスチャンが何をしたって言うんだ……

前作では地すべりから発生した津波だったが、今作は地震。
先の災害から3年。主人公クリスチャンは後悔と罪悪感を抱え、家族と離れて暮らしていた。しかし、ある日トンネルの崩落事故が起き、その被害者である友人が遺した調査データから大地震の再発を確信する。

災害の恐怖というものは実際に体験した人にしか分からない。震源から遠ければ遠いほど恐ろしさが薄まり、非現実的な出来事のように思う。
被害を目の当たりにした人達は、自分が経験する前のように戻ることは絶対にできない。そして
大人の方が慎重に感じ、それがクリスチャンやイドゥンの表情や立ち振る舞いに現れていた。

過去の津波で「もっと多くの人を救えたのではないか」と自分を責めていたクリスチャンが、今作、目の前でイドゥンを助けられなかったことでまた自責の念に駆られて塞ぎ込んでしまうのではないかと思ってしまう。
自立して判断力を持ったソンドレはともかく、二度も大災害を経験し危機に陥ったユリアが苦しまずに生活できるのか、また今度こそ家族が離れ離れにならないで欲しいと切に思う。

ほぼ巻き込まれた形で登場したマリット。彼女がいなければユリアを助けられなかっただろう。ほぼ見ず知らずの父の友人を手伝い、地震の時はその娘を必死で守り、瓦礫の下敷きになった人を手当をし、崩落するビルの鉄骨を掴み救出する。こんな出来た人間は滅多にいない。普通しっぽを巻いて逃げる。これに関してはもっとお礼言った方がいいよ。

地震の描写はやや大仰だった気もするが、オスロの地盤が緩く、それにより地面が波打つというのは実際に有り得ることだ。年中地震が起きている日本からすれば耐震対策やアラートを鳴らすとか備えがあるので、大きな警報がなく災害時の対応がなかった点は大きな違いだろう。まあこれはあくまでフィクションだから仕方ないが、それを含め、現実でも更に対策が進めばいいと思う。
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