はさみのり

クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代のはさみのりのレビュー・感想・評価

3.2
クリムト&シーレを軸にウィーン世紀末の芸術やその背景をドキュメンタリーで解説していく。但し、クリムトよりもシーレの解説の方が多かったので、クリムトファン的には物足りない内容だったと思う。

私自身、80年代に初めて観た「エゴン・シーレ展」で初めてシーレやクリムトに出会い、その絵のどれもに衝撃が止まらなかったのを覚えている。

この2人の人生や背景について、もっと知る事が出来たら、と思っていたが、2人に関しては既に知っている事も多く、関連する背景(音楽家、建築家、心理学者等)を紹介しながら、いかにこの世紀末にそれまで閉鎖的だった文化が開かれていったのかを知る事が出来た。

クリムトの弟子シーレは、本当に不遇の人生だった。いつも心は不安定で愛に飢えていた。母親からも愛されず、唯一貰った鏡に自分を映しては自画像を描きまくっていた。表情を変えたり時には裸体を描いていた。そうして自分を表現する事しか出来なかったようだ。
又、モデルと関係を持つ事も多々あった様だが、愛し合った人は階層の違いで添い遂げられず、他にも少女をモデルに連れ込んだ事で犯罪者として収監されたり😓
その苦悩や自分を愚かしく描く作品は、どれも暗くてシュールで生と死がモチーフになる物も多く、その迫力が凄く鑑賞者の心を固まらせる😓

又機会があったら観に行きたい。
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