半地下に暮らす仕事がない4人家族の、長男が身分を偽って上流階級の家庭教師になったところから始まる悲喜劇。
始まりは静かなコメディであり、最後までこのテイストでいくのかなと思いきや、徐々にとっても怖いお話になっていく。
この作品の登場人物は、みんな仕事にありついて幸せになりたいごく普通の人たちばかりなのに、ちょっとした行き違いで事態は予想もつかいな方向へエスカレートしていく。
とにかく、演出が巧みで笑いと恐怖の塩梅が絶妙で、どんどんと作品に引き込まれ、登場人物達に感情移入させられていく。
キャスティングも見事。パラサイトになる主役の4人家族は、もちろんのピッタリはまっていたが、個人的には純真で若く美しい天然なパク社長の奥さんを演じたチョ・ヨジュンさんが素晴らしかった。
ただ、クライマックスである人の居場所は「あそこだ」と結構大きな声で自分の推理を話している客がいたことが興ざめ。そんなことは、大体皆さん想像して楽しんでるのだから、声に出して言うなんて。
皆さんも、予告編以上の情報を耳にしないで、映画を見終わった客の暴露会話には十分に気をつけて観に行く事をお勧めします。
また、日本語のサブタイトル「半地下の家族」はいらないのでは。
