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パラサイト 半地下の家族のNoriDのレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
4.5
匂いな…自分でも気付けない。
外見って仕方ない。変えようがない先天的なもの。
音は黙ればいい。
ただ、体臭は自分の生活から染み出してくるもの。だから、ほとんど自分そのもの。
つまり、体臭を否定されることは、自分を否定されることと同義なのかもしれない。
その体臭が、人間と扱われていないかのような不信感に変わり、プッツン爆発…

パク社長は別に悪いわけではない。
ただ、やっぱり全部が上から目線。基本は温厚だから、その匂いの指摘だけが際立ってしまう効果もあって、過剰反応につながるのかも。

奥さんはシンプルというか、思考停止。全部他人の意見。家族は大事。あとはほかの同じランクの人たちへの体面。あのパーティーとかね。
大雨の被害者が体育館?に集まって生活するうらで、ベンツ乗って「昨日雨降ったから今日晴れてるのね!」発言も…

ただ、半地下の家族もやっかいだ。寄生したはいいけど、どんどん欲望がエスカレート。美味しい利権をむさぼりつくさんとするがあまりそれが裏目に出てしまう。
母は砲丸投げで銀メダルとるくらいだけど、父はやること全て失敗。兄弟は大学受験失敗のフリーター?というか無職。
全体やる気ない、負け犬根性。だから美味しいとこばかりとろうとする。
大卒でも、就職できないから、そういう根性が染み付いているんでしょうね…社会のせいでもあり、個人のせいもある。

そうな闇なバックグラウンドがありつつも、たまに訪れるアホみたいな展開。
ソファの下に隠れる家族と、その上でイチャイチャする夫婦とか。笑えるが…笑

一番印象的なシーンは、逃げた家族と同じ方に流れる水。低い方に水は流れ、半地下の家は水没。
生活が苦しい半地下、地下へと流れより苦しくなる。でも、高いところにいる富裕層は他人事。
人間そんなもんだろとは思いつつ、結構な人の闇。

別に韓国だけの話ではないと思う。
日本だって、水害あっても他人事な部分あるし、他人事ってひとは沢山いる。

社会の現実、人間の闇と欲望を、ユーモアあふれる展開で描いた超傑作だと思うので、買おうかな…と思ってる。
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