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るろうに剣心 最終章 The FinalのEDDIEのレビュー・感想・評価

4.3
漫画原作のアクション活劇でかつてこのレベルの実写作品があったか?世界にも誇れる大友×谷垣印のシリーズ最高傑作。
悲哀の人誅編…すべては雪代縁を体現した新田真剣佑の表現力あってこそ。
幕末の人斬りは不殺を守り切れるのか。

実は色々と突っ込みたいところもあるんですが、もはや冒頭の縁(新田真剣佑)の登場シーンだけでボルテージが最高潮に。そのまま最後までアクションの凄さに熱中していたので、もう満足度という意味でこのスコアです。

『るろうに剣心』については原作漫画全巻、8万円のDVDボックス(と言っても発売当時Amazon購入で6万4千円ぐらいだった)、実写版は劇場ですべて鑑賞し、パンフレットもすべて購入、先日東京ドームシティで開催されたるろうに剣心展にも行くほどの大ファンです。

やはり至高の悪役は志々雄真実なんで、原作でも雪代縁の人誅編はテーマも重いこともあり読者離れが起きたとも言われているんですが、とはいえ個人的に大好きなエピソードなんですよね。
私の仲のいい友人は縁があまり好きではないとか言ってるんですが、彼の背負った苦しみは居た堪れなくて私は嫌いにはなれないんですよね。
人誅という手段は誉められたものではないし、共感しづらいものではありますが、本来は優しいやつだったはずなんです。

まぁそんな話はさておき、大興奮なアクションの連続!
実写版はシリーズ通してキャスティングが絶妙なんですが、もう雪代縁に新田真剣佑を抜擢したのは最大の功績。
細身ながら、確実に鍛えられたのがわかる腕の筋肉…剣心を佐藤健以外の誰が演じる?というのと同じように、縁も真剣佑以外に演じる俳優はもはや思いつきません。
是非とも新田真剣佑に助演男優賞を!!


今回本作『最終章 The Final』が公開されてから、6月に『最終章 The Beginning』が公開されるという順番。そんな構成だからこそ、難しかったとは思うんですが、ちょっと回想シーンの使い方がクドいと思ってしまう部分はありました。
原作ファンからするとセリフの改変も気になる点があったものの、それ以上にこの人誅編を見事にハイクオリティな実写映画として完成させてくれた点に“感謝”の意味も込めています。

スペシャルゲストの登場(これはネタバレなので後でコメント欄にでも書きます)や伊勢谷友介演じる四乃森蒼紫の扱いなど、気分上がるそれぞれのシーンはハイライトの一つでしょう。

過去シリーズでいえば、原作で重要な十本刀の大多数がモブ扱いされていたことなど、大きな不満もありましたが、今回は雪代縁の人誅の同志たちがきちんと描かれていたのでおおむね良かったと思います。
それにしても乾天門って何だったんでしょうか…これも1作目で武田観柳組の一人として戌亥番神(須藤元気)が登場してしまったがためにオリジナルキャラクターを充てがうしかなかったのでしょうね。
あとは原作でもかなりの奇人でクズ野郎だった乙和瓢湖を、『見えない目撃者』で怪演を見せた栁俊太郎が演じていたのは良かったですね。見事なクズっぷりでした。

脚本については前述の回想シーンの挟み方やセリフまわしなど気になる点はありましたが、映画として必要な部分、不必要な部分の取捨選択は絶妙でした。
どうしても気になる部分はネタバレになるので、こちらもコメント欄で後述します。

とにかく一にも二にも本作は新田真剣佑の雪代縁でしょう。もう彼の緻密な演技、豪快なアクション、鍛え上げた身体と、彼を見るだけで十分にお釣りがくると思います。

※2021年新作映画53本目
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