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るろうに剣心 最終章 The Finalのmutaoのレビュー・感想・評価

4.0
最終章の前篇だ。「伝説の最期編」のときも完結編ぽい宣伝をしていたがまあいい。
まず、本シリーズ最大の魅力であるアクションから、アクション監督のアイデアが無限に湧き出すかのような演出が神レベル! 佐藤健のアクションは相変わらず素晴らしい。逸材であることを再確認。今回はそれに加えて新田真剣佑のアクションが凄まじい。佐藤健に引けを取らないどころか、場面によっては主役を食ってしまうほどの迫力。真剣佑は自分の演技を評価されるたびに親父を引き合いに出されることにうんざりしているかもしれないが、「かつて日本を代表するアクション俳優だった千葉真一の息子」であることが「からかい」の対象ではなく「崇敬」の対象になるほどの実力を見せつけている。「ブレイブ」の真剣佑に物足りなかった人は本作を見ることで溜飲を下げるにちがいない。
他の俳優についても述べておこう。江口洋介と伊勢谷友介は「主役でお願いします」と震え声でつぶやいてしまうほどカッコよく、決めのポーズや表情が美しい。2人ともぜひ長髪キャラで時代劇を100作品ぐらい作ってくれたのむ。それにしても伊勢谷もったいない。例のスキャンダルで仕事が少なくなっているのならB級C級D級のアクションものに出てくれたのむハアハア。
女優陣では土屋太鳳が優勝。まあ原作に沿ったストーリーなら他の女性キャラにはアクションの見せ場は少ないから比較するのはアンフェアかもしれないが。とにかく土屋太鳳の一つ一つの動きの見栄えがする大きさと、若々しさと、意志の強そうな目の印象は、原作のキャラを越えるほどの魅力になっている。太鳳ちゃんも20代30代のうちにアクションのある映画に毎年出演して、アンジェリーナ・ジョリーやミラ・ジョヴォヴィッチ並みにアクションがキレッキレの女優として映画ファンの記憶に残ってほしい。「恋愛もの」に関しては40代以上になってからでも(の方が)内面的な魅力が光り輝くはずだから。
さてアクション以外の面に関して…えーと…アクション以外か…まあ「期待を裏切らない」出来です。泣けるシーンあり、ちょっと笑えるシーンあり、美しい衣装と美しい自然風景。作り手の人たちの緻密なこだわりに思いをはせつつ楽しめば、より感動は深まるはず(その心の余裕は鑑賞2回目以後に生まれるのだろうが)。私は武井咲の着ている着物の生地の質感に目を奪われるカットが何度かあった。
あと2~3回劇場で見たくなるぐらいの傑作アクション映画!
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