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るろうに剣心 最終章 The Finalのぴぃのレビュー・感想・評価

3.0
刀を交える音、炎が燃え盛る音、風の音、騒めく人々の声…映画「るろうに剣心」は、耳から興奮する作品。エンディング曲はもちろんのこと、劇中音楽も心地良く、アドレナリンが出る。

それにしても剣心はどの角度から見ても絵になるなぁ。心の中で何回シャッター切ったことか。佐藤健氏に落ちた「龍馬伝」人斬り以蔵役の時から、物憂げな視線とか、暗い微笑み、鳥肌ものの気迫がたまらない。きっと大友監督とは、佐藤健の好きなツボついて盛り上がれるに違いない。

ただ、1作目から比べるとバイオレンス要素が強くなってしまったのが否めない…。良く言えば、見応えのあるアクションシーンがふんだんにある。けど、戦闘シーンが全面に出ていない、流血や直接的な殺傷表現が極力抑えられた、魅力的なキャラクターたちが活躍しているのが好きな点だっただけに少し残念。血生臭さと惨たらしさが容赦ない。途中、ホラー映画観に来ちゃったかと思ったヨ。

私の持論…なんて大それたものではないけれど、理想?のヒールは「悪」「強」「憎」「哀」「笑」の5つの要素が揃っていると無敵。どれか2つ以上欠けると、雑魚キャラになり下がるか、愛されない。そういう点で、第二章の志々雄真実はパーフェクト過ぎた。好みの問題もあるかもしれないけど、思わず"様"付けしたくなる恐ろしさとカリスマ性がありながら、可哀想で愛おしい人間味があった。雪代縁にも、「笑」要素があったらもっと良かったなぁ、なんて。でも、「笑」が抜け落ちてしまったのが、彼の人生だったんだろな。
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