子どもの頃に新聞紙の刀で飛天御剣流の全ての技を体得したレベルの原作ファンとしては、愛憎相半ばといったところ。
やっぱり漫画のキャラクターたちが人気俳優を使って実写化されることには、嬉しい興奮がある。特に初登場の雪代縁はビジュアルも殺陣も申し分なし。剣心もやっぱり佐藤健がハマり役だと改めて思う。
一方で、漫画のあれだけの情報量を詰め込みすぎれば、当然のごとくなんの厚みも深みもないストーリーが仕上がるのはごく自然。
製作側も重々承知の上で、戦闘シーン満載のアクション映画性を全面に押し出しているのだろうけど、やっぱりテーマ性と葛藤と感動に満ちたストーリーがスカスカにされてるのは、気分的に複雑である。
The FinalをThe Biginningより先に持ってきたのも、製作側はイケてる演出だと思ってるのかもだけど、巴との過去を理解しないまま縁と闘ってもなんのカタルシスもなく、この順番はやはり愚策である。まあ原作読んでるのが前提というのであれば、ある意味るろ剣ファンを信頼してるともいえるけど。
リアリティとフィクションのギリギリを攻める戦闘シーンと殺陣は個人的にアリなんだけど、技名がないのは原作ファンとしては寂しい限り。
あとついでの感想として、左之助と弥彦のザコ扱いがひどい。蒼紫もイマイチ。宗次郎必要？
