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d@bbe: 精霊の呪いのqqfowlのレビュー・感想・評価

d@bbe: 精霊の呪い(2013年製作の映画)
3.3
辺境の村で、結婚式前夜の「ヘナの夜」に花嫁が花婿を殺してしまった。悪魔(ジン)の仕業なのか、それとも精神病なのか。除霊師と精神科医が協力して彼女を救おうとするが…

骨だったり内臓系の呪いグッズがたくさん出てきてまあまあ気持ち悪かった。その辺りのことは非科学的なことに懐疑的な精神科医がいろいろツッコミを入れるので、比較的見やすかったし、謎解き要素もあって、そんなに退屈はしなかった。


~ネタバレ~


花嫁キュブラが悪魔に取り憑かれたのは父親のせい。父親が昔悪魔に財宝のありかを教えてもらってお金持ちになったのにその悪魔を殺してしまった。悪魔の呪いで、村では正常な赤ん坊が生まれなくなり、村人はほとんど逃げ出した。キュブラも胎児時代に呪われて、成人してから悪魔に取り憑かれてしまった。

実は、元凶となった悪魔殺し事件には、精神科医エブルの父親も関わっていた。エブルの家族は事件後すぐに遠方に引っ越したので呪いを免れていた。そのことでキュブラの家族に恨まれていて、実はエブルはキュブラの身代わりとして呼び出されたのでした。おわり(バッドエンド)


この話、キュブラとエブルの父親の犯した罪のくだりが「姑獲鳥の夏」に似てる気がして面白かった。あの小説で紹介された、憑き物筋は共同体の富の偏りを説明するために考え出されたという説は、文化の違うトルコにも似たような話があるなら、やっぱり正しいのかなと思えて、社会学ってスゴイなーと。姑獲鳥の夏は怪異に全部合理的説明がついて「この世に不思議なことは何もない」と終わるから、本作の「この世には不思議なことがある」という終わり方は、え、まって…となってしまった😓
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