長い。が、見せる。退屈はしない。
ムショから帰ってきたヌードルスは主体性もなくマックスに従って暴力を行使し続ける。最愛のデボラを傷付け、綺麗な思い出すら壊してしまう。マックスの狙い通りに操られ、罪悪感だけ植え付けられて特に語ることもない空虚な35年を過ごす。
マックスは禁酒法時代に生きた"マックス"を捨て、新たな時代に適応したベイリーとしてひたすら金を稼ぐ。全てを手に入れたはずだった35年後の彼は虚ろな表情を浮かべる神経質そうな老人であった。
彼らの為したことを何一つ形に残さず、アメリカは姿を変えていく。
果たしてあれはアヘンが見せた泡沫の夢だったのだろうか、それとも幻想に踊らされた若者たちの生き様だったのだろうか。