サーフ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版のサーフのレビュー・感想・評価

4.3
な、長い…とにかく長い…。今まで見て来た作品で今まで一番長かったのがマーティン・スコセッシのドキュメンタリー作品「ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」で208分、ストーリーものでも黒澤明の「七人の侍」の207分なので今作の229分で大幅更新。
でも長い分だけ見終わった後の達成感と充実感は並みの上映時間の映画では体験できない。京極夏彦のクソ分厚い文庫本読み終えた時と同じ感覚。

物語はロバート・デ・ニーロ演じる主人公の少年期から老年期までの一生を描き出すという物。主人公が後にギャング・ファミリーとなる仲間達と出会い、友情、軋轢、裏切り…人生の中で体験する様々な事柄を経た先にあるもの。最後に描かれるのは主人公と友の一人の男同士としてギャングとしてどうケリをつけるのかという事。

物語の時系列も序盤に老年期になった主人公を見せ、その後少年期から時系列で進む、といった感じなので青年期のギャングとしてバリバリやってる頃のシーンもその後の「凋落」を感じずにはいられないので非常に感傷的になってくる。

また、エンニオ・モリコーネの音楽が物語をより抒情的に、より彼らの人生をドラマティックにさせる。物語の深みがどんどん増してくる感じ。

4時間近くある映画なんだけど長さは正直全然感じなかった。もっと彼らの人生に浸りたいと思わせてくれる映画だった。
サーフ

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