まず言えるのはオリジナルと完全版では雲泥の差があるということ。
つながりがより秀逸となり、哀愁がより深いものとなる。
禁酒法時代にのし上がっていったギャングたち。
友情からいつしか亀裂が入る事態へと。
それでも変わらぬものに気付いたのは晩年の男たち。
仲間の契りは血よりも濃いといわれる掟をそのままに、二人の男に焦点が当たる。
ヌードルスとマックス。
30年前の出来事が故郷に戻ったヌードルスに再び突きつけられる。
若かりしころを振り返る構成がとても巧く嵌っている。
犯罪とは思わないいたずらを繰り返す無邪気な少年時代。
成長してより深く裏の世界へと入る青年期。
またこれを盛り上げるのがエンニオ・モリコーネの哀愁漂う音楽。
各時代へと舞い戻らせるメロディが胸を打つ。
西部劇の巨匠セルジオ・レオーネが遺作になったギャング映画はかくも素晴らしい出来になった。
デニーロとジェームズ・ウッズもこれ以上ないほど適役だった。
4時間近い上映時間にもきちんと意味がある。長さはまったく感じない。