水蛇

あなたの名前を呼べたならの水蛇のレビュー・感想・評価

あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)
2.2
原題と邦題で二度胸がきゅっとなっちゃう。

でも周囲のキャラクターが少女漫画とかハーレクインぽくて、あの系統が大の苦手だからちょっと鼻白んだ。「アシュヴィンの心情に寄り添わず体裁に囚われる威圧的で過干渉な姉(ラトナにきつく当たる)」とか「アシュヴィンに一方的に好意を寄せて押しかけちゃう高慢性悪女(ミスしたラトナを罵る)」とか昭和だし、人格や生命力を剥奪されたそういうキャラクターってほんとに悲しい。まあカーストのある世界でそれがリアルな使用人に対する態度なのかもしれないけど、それにしたってなんだもん。主人公のためだけに用意された命のない指人形みたいな彼らを見てると心から侘しくなる。そしてそういう存在の力を借りないと輝けないなら主人公ふたりも魅力なさすぎる。

これについては三つ子の魂みたいなものだしわたしが過敏だから合わないだけであって、映画自体は悪くないんだけど。むしろインドの実情が細かくわかっていい。一生男性のおまけとして生きるなんて冗談じゃないよね。
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