非常にいい映画でした。脚本も演出も、インド映画では珍しい100分以内ですが、様々な思いが詰め込まれた作品でした。ロヘナ・ゲラ監督の長編デビュー作です。
日本の90年代にあるようなトレンディドラマのような展開でありながらインド・ムンバイの設定がよりリアルさを引き立て、世界における様々な格差や風習に直面する演出は恋愛映画にとっての「壁」として新しい切り口に感じました。ふと振り返ると、日本でも時代を遡れば自由な恋愛はありませんでした。戦国時代などを想像してみるとわかりやすいかも知れません。それが今現在でも残っていることと、そして結末の描き方が未来への希望に感じる脚本となっておりますが、捉え方によっては意見が分かれるかも知れません。
感情のまま突っ走れるほど、若くはない。感情を抑えきれるほど大人でもない。絶妙なバランスの中にインドのリアルを入れ込んだことによるやきもき感を是非とも劇場で味わってほしいです。
2019年公開作品 107本目