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罪の声のKのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
3.4
犯人・その家族・関係者。多くの人物とその背景にスポットを当てながら進行するため、焦点が分散した印象。それぞれの人間ドラマ。物語の中心にいたはずの曽根俊也(星野源)の存在感が薄まる。知らなかったとはいえ…という苦しさはよく伝わってきた。「結局この事件をエンタメとして消費していることになりませんか」「京都人の誉め殺し怖いわ〜」阿久津英士(小栗旬)の印象的だった台詞。THE関西人な雰囲気が一番よく出ていたのは松重豊さん。久しぶりに塩見三省さんを観られて嬉しい。そもそも論としてずっと気になったのは、この二人が辿り着けるような真相をなぜ警察は解明できなかったのか。設定面での細かいことを言うと、若い頃の曽根達夫役の俳優にも同じ場所にホクロをつけておいて欲しい。“その声”に別の意味合いが生まれる終盤シーンは切ない。誰も巻き込まない犯罪なんてこの世に存在しないのだと思う。
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