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罪の声のtakeomovieのレビュー・感想・評価

罪の声(2020年製作の映画)
4.0
どれだけ調べても時効になる、発展性のない事件を掘り返して記事にすることにどんな意義があるのか。「こちらの都合」「自己満足ではないのか」と苦悩する阿久津の人間味に惹かれました。俊也も初対面で感じていたけど、とても優しい人間。

働いていると、利益を追求するあまり大切なものを置いていってるなと感じることがあり、そのたびにやりきれない気持ちになります。阿久津はその感情から目を背けず、正面から向き合い、「意義のある記事を書く」という本質的なゴールを立てたことで、その葛藤に打ち勝ったように思います。全国を飛び回り、幾度もロンドンを訪れ、中華屋さんで頭は下げたり、よくよく考えると赤の他人のことなのにここまで本気になれるのか、すごいなと感じました。

阿久津だけでなく、新聞社のメンバー、テーラーの俊也など、登場人物全員がそれぞれの役割に強い使命感を持って日々を全うしている様子も印象的でした。映画とは関係ないですが、自分自身もそういう生き方でありたいなと率直に思いました。
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