このレビューはネタバレを含みます
ちょっと長かった。前半ウトウトしそうになる、淡々と事件を追っていく。
星野源さんが途中からMIUにみえてきた。
後半から、ガラ悪い治安悪いエンタメぽくなってくる。
「エンタメやない、意義のある記事書いたれや」と言われた阿久津さんは、そういう記事を書けたのでしょうか。 深淵の住人
化石にならない正義はあるのか。
個々の踏みつけられてしまった不幸から生まれた正義は、見知らぬ大勢だけでなくて助けたかった愛すべき人も傷つけてしまう。そんな正義は知らんがな、とおじの達雄さんに言いたい。
この映画のお話は一瞬本当の出来事なのかと思ってしまう。
過去の未解決事件をモチーフにしたフィクションだと改めて確認して、ほっとする。
この作品にでてくる記者の阿久津や、知らずに声を使われてしまった俊也が自分と同じ立場の人の人生をさがしながら、自分のこれまでの細やかな幸せに罪悪感をいだくのを見たら、私はこれを見て泣いてはいけないのではないかと思ってしまったから。
子どもは親の一部ではない。
私は忘れないようにしようとずっと思っている。特に小さな頃はそう錯覚しそうになるけど、絶対にちがうから。
俊也さんがテーラーという、流行に左右されないものも、その時の流行りのものも、その人にぴったりと合う美しいものを作れる、父から継いだ仕事という設定が素敵だなぁと思った。
そのスーツを、聡一郎さんが着るとか、
声を聞きたい、唯一聞かせてあげられる娘の声が、あのカセットテープの声だったとか、
少々長かったけど、エンタメとして作り上げられたそのシーンを見て、感情のまま泣いてしまって私はよかったんだなと思った。
「罪の声」というタイトルは素晴らしいです！
