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罪の声の70111のネタバレレビュー・内容・結末

罪の声(2020年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

事件の謎を解き明かしていくさまが、ひとつひとつパズルのピースをゆっくりはめていくようだった。輪郭が見えて、描かれてるものに気づいた頃にはもう深いため息をつくしかなかった。
今自分が完成したそれを見ようが見まいが、ずっと前から完成図は決まってたのにこのやるせない気持ち。深く重い題材だった。

この事件の犯人はその時代の社会情勢と、ひとりひとりのエゴという名の正義と信念。
過去は変えられないし奪われた命も時間も戻ってこないけれど、阿久津と曽根がこの事件と向き合ったことで手遅れにならず救えた人がいる。
自分の信念が無関係な他人の人生を奪うかもしれない。当たり前と思った常識が社会によって生み出された狂気かもしれない。
今の日本の過度(に感じ取れる)ジャーナリズムに一石を投じた作品だと思った。
35年前じゃなくても、今も起こりうる話だと思う。
多くの人に観てほしい。とても良かった。
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