開館時間は大勢のホームレスの居場所となっているシンシナティの公共図書館。凍えるほど寒い夜、シェルターに入れなかった彼らが図書館から出て行くのを拒否したことが、メディアや政治家の曲解や誤解によって悪質な人質事件として報じられ、良心的な図書館員が矢面に立たされるが……。
製作・監督・脚本・主演のエミリオ・エステベスに拍手を贈りたい。深刻な社会問題に正面から向き合いながら、ユーモアたっぷりのヒューマンドラマに仕上げる手腕には驚かされた。
キャストも多彩で、特にホームレス役の俳優には個性的な人が多く、その深みのある声や演技は非常に魅力的。
日ごろ利用している近所の図書館は貸出も返却もすべて自動で処理でき、図書館員と会話を交わす機会はほとんどない。便利には違いないが、この映画のような温もりのある図書館もいいなぁと思ってしまった。
