Shun

おとうとのShunのレビュー・感想・評価

おとうと(2009年製作の映画)
4.3
泣いたー!
「男はつらいよ」のif作品


ギャンブルと酒好きでどうしようも無い弟の鉄郎と、しっかり者の姉銀子と、銀子の娘で鉄郎が名付け親の小春、主に3人の物語



・シリアス版「男はつらいよ」
この映画を観てどうしても比べてしまうのが「男はつらいよ」
社会不適合者の鉄郎は寅次郎に、兄弟を受け入れるしっかり者の銀子は桜に、少し離れた位置から兄弟を観察する小春が満男に見えてしょうがないです

設定も、三人兄弟であったり、大事な披露宴を鉄郎がめちゃくちゃにして銀子が頭を下げたり、風通しのいい家に住んでたり、「男はつらいよ」にそっくりなんです

ただ、長男が生きていたり、銀子の夫が無くなっていたり若干の違いがありますが、特に違ったなと思った点があります
それは「男はつらいよ」はコミカルな作品になってるのに対して、この作品はしっかりとしたシリアスな作品になってる所でした

この作品のストーリーは終始暗いです
言うなれば「男はつらいよ」の影の部分を存分に出した作品な気がします
それゆえに心に突き刺さるシーンが多く、とても感動し、後半は常に涙を流してしまいました
いろんなシーンにほんとに感動しましたがラストのおばあちゃんのシーンとかたまらなかったです

「おかえり寅さん」と比べてみると
寅次郎と鉄郎という社会に受け入れられ難い2人の人生、最後について深く考えさせられます

社会には受け入れられなくとも、身寄りはできなくとも、姉や妹などの家族の存在の大きさ、切っても切り離せない家族の繋がりがしっかりと感じれる2作です


・演出、演技が最高
これは言うまでもなし!


お時間がある人にはどちらの鑑賞もおすすめします!
Shun

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