上海十月

おとうとの上海十月のレビュー・感想・評価

おとうと(2009年製作の映画)
3.3
賢姉愚弟。寅さんの変形版。という感じで山田映画の集大成。クォリティーが高い作品を作り続ける山田監督には、頭が下がる。山田監督は、意識的に寅さんにするのを避けているようだ。鶴瓶だけのシーンが少なく、姉が美人だとか姪は、医者に嫁ぎワイが名付け親だとか自慢しまくるシーンはなく、聴いた人が話す程度に抑えている。また、大衆演劇の主役だったわけだからそういったシーンで笑わせても良かったのではないかと不満が残る。後半の行き場のない人たちのホスピスに話が展開すると社会派で家族を通して今を語る山田論法が素晴らしい。ここまで来ると劇場は、すすり泣きになるが個人的には、ウルくらいでそうでもなかったが、ラストの加藤治子の台詞によって泣けてしまった。突然横から車にひかれたような感じ(Byロッチ)。キネマ旬報でも違うラストだったのが少しづつ変わって最後のシーンになったと鶴瓶が語っていた。このラストは、最近の映画中で最も秀逸なシーンだと思います。
上海十月

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