ゆず

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊のゆずのレビュー・感想・評価

4.0
『ニューヨーカー』の雑誌。
やりたいことは全部やる

この映画は言わば大きな旅行カバン。雑誌が記事を寄せ集めて作られるように、この映画も、雑誌のいくつかの記事を映画化したオムニバスものになっている。編集長が最初に登場し、雑誌の概要を教えてくれる。そして、趣きのまったく違う各ストーリーへと誘われていく。どのエピソードでも、ヒーローは記者。

『赤い風船』では当時の街のほこりっぽさが背景にあることで、色彩のポップさが鮮やかに浮き上がっている。もちろん映画に出てくる風船の色もそうですが、車の色も、お店の店先の色も効いている。最も重要なことは<古いすすけた建物を背景にした明るい対象物>というバランスを保っていること

この映画に出てくる過剰な詩情や抽象性の傾向がある場面の発想の元は、レオス・カラックスからきている。ジャン=ジャック・ベネックスへのオマージュ。いわゆる『シネマ・デュ・ルック』期の雰囲気。

『北の橋』ジャック・リヴェット
『真実』ブリジット・バルドー
『ぼくの伯父さん』

情報が多すぎて寝てもうた。
ゆず

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