れじみ

思い、思われ、ふり、ふられのれじみのレビュー・感想・評価

3.7
まさに青春のハイライトを切り取ってフィルムに収めたかのような大胆な編集は原作が少女漫画であることを思わず忘れさせる。四者四様の群像劇は誰もが主役であると言えるバランスの良さ。浜辺美波の透明感と表現力はやはり天井知らず。過去最高の笑顔が見れた。傑作!

どうしても浜辺美波を贔屓目に見てしまうが、物語的には福本莉子演じる由奈に強く感情移入してしまうし、実際福本莉子の演技は素晴らしかった。しかし要所要所で魅せる浜辺美波の笑顔と涙にやはりノックアウト。浜辺美波史上最高に美しいので、ファンは必見。

映画好きならみんなが好きな(偏見)あの2本の映画が登場人物の出会いを繋げているのも嬉しい。少女漫画原作映画としてはわりとありがちな展開やラストに落ち着くが、物語を映像と演出で魅せてくれるのでしっかりと劇場映画になっている。三木監督らしい映像美だった。

浜辺美波としてはほぼ初めてに近いドメスティックな関係に悩む役柄は新鮮だった。これまでの役は相手が恋人であったり、友人であったり、あるいはプラトニックな関係だったが、今回は家族の問題に悩む朱里を演じている。これでまた役の幅が広がったのではないだろうか。
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