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見えない目撃者のmitakosamaのレビュー・感想・評価

見えない目撃者(2019年製作の映画)
3.5
スカパーにて。元々は韓国映画で、中国に続き2回目のリメイク作だそうな。
まぁ正直悔しいがこの手のサスペンス映画じゃ韓国が随分先を行ってるよ。邦画の企画力じゃ全然勝てなくなってる。韓国産サスペンスという時点である程度の完成度の高さが約束されてる。リメイクも致し方無いよ。

吉岡里帆が主演で、盲目の元警察学校卒業生。たまたま夜間に自動車での誘拐現場に出くわしてしまい、その捜査に協力するようになる。
警察側も最初は“盲目の目撃者”の意見に半信半疑だったが、もう一人の目撃者のスケボー青年と事件の真相を追い、大量殺人事件に行き着く。…という内容。

先ず目撃者が目が見えず、音などの視覚以外の五感で事件に挑むというのが面白い。主人公にハンデがあるからこそ巨悪に挑むことのカタルシスが大きくなる。
それを考えると、正直言って吉岡里帆の演技力は物足りないかなぁ。大人になってからの後天的な盲目というキャラクターなのだ。もっと目が見えないことの不自由さがある筈。でも盲導犬に導かれているとはいえ、やはり機敏に動け過ぎている気がする。難しい演技だとは思うが、ここは作品のリアリティに一番係る部分なのでやはり辛口に評価しないといけないな。

物語は本当に良く出来ていると思う。
被害者の女性たちが耳や鼻を削がれていることで、15年前の儀式殺人の模倣犯だと判る。
被害者が、失踪届けの出ていないネグレストだったことで、犯人の正体が判るなど先読みし辛い展開で目が離せない。
しかも、五感を持つ器官を斬り落とす犯人を追うのが盲目であること。パートナーのスケボー青年もネグレストであったことなど、犯行と登場人物がリンクしているのも実に巧い設定だ。
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