Tully

見えない目撃者のTullyのネタバレレビュー・内容・結末

見えない目撃者(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

かなり面白かった。韓国映画のリメイクということで、二転三転するシナリオの面白さは韓国譲りでめちゃ面白い。韓国映画安定の無能警察で、リメイクされても無能なのに変わりはないのが面白い。ベースとなる事件のストーリーは、今となってはありきたりなものではあるし、オチや犯人が誰か容易にわかってしまったというのもある。しかし、それに「盲目」という設定を加えることによって、ひとクセ変わったミステリー映画になっていたのはかなり良い。視覚がない分、他の感覚が研ぎ澄まされていて、普通とは違う形で、真相への糸口を見つけるので、そこは新鮮だった。また、後半あたりは逆ドントブリーズとなって、ひたすらスリルある展開が待ち受けている。目が見えないから、軽くホラーでもあり、とにかくヒヤヒヤしてしまう。実弟や、アクセサリー、犬など、様々な小ネタが伏線となっていて、それが後の物語の展開に関わってくるあたりの、シナリオの細かさが良かった。なるほどと思わされる伏線回収が多く、ひたすら楽しい。ひたすら、犯人の解明なので、128分を全く持って感じさせないくらいに、かなりテンポが良いが、主人公のパーソナリティがあまり描写されていなかったのが残念だった。なんで父親はいないのかとか、ただ映画に出ていないだけなのかなと。主人公が有能すぎて、ご都合主義感がある。そんな主人公が失明するシーンが、前方不注意という間抜けな理由だったり、ある電車のシーンでゴーストタウンかと思ってしまうほど、電車の利用客がいないに等しかったりして、粗さが目立つ部分はあったが、それを鑑みてもかなり面白かった。それほど、この作品の面白みが強くて粗さを押し切っていた。R15であるが、思った以上にグロテスク描写がキツかった。私としては、逆にこのくらいやったほうが印象に残るし、制作陣の本気度合いが感じられてワクワクするので良いが、一部の人には受け付けられないグロさなので注意。神待ちの家出少女や、ネグレクトを取り入れていて、日本の現代社会の問題をアレンジして取り入れているのも良かった。
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