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ファブリックのYSKのレビュー・感想・評価

ファブリック(2018年製作の映画)
3.9
怪しげなブティックで販売されている魅惑的な赤いドレスを身につけると、人智をこえた力によって死にいたってしまうお話…
そんなあらすじに間違いはないものの、でははたしてみどころがそこかといえば全く違う気もするしという、非常に説明の難しい独特な世界観をもった作品です

簡単にいえば2部構成となっており、その合間では赤いドレスを販売する怪しげなブティックが映し出されます
1つめのお話では出会い系広告で男性と出会いデートに赴く中年女性が、2つめのお話では間もなく結婚式を挙げようという若いカップルが、それぞれ赤いドレスと出会い翻弄されそして死んでいきます
とはいえドレスに襲われるとかとって食われるとか、そのようなことはありません
悪魔がとりついていたり呪いがかけられていたりということもなく、ただひとりでに動き出し、ドレスに覆われた野菜が腐り落ち、着た人の肌がかぶれ、洗おうとすると洗濯機がひっくり返ってぶち壊れるくらいの、どこにでもあるドレスとそう変わりません

しかし合間で映し出されるブティックだけはそういう範疇におさまりません
電波とキチガイの境界線を素足で渡り歩いているかのようなCMを放映し、それを見て店にやってきた愚民たちを見下ろしながら鼻で笑う彼女たち、挙句魔女のような女性がマネキンの横で踊り刺せばマネキンの性器的な場所から血が溢れ、女性はそれを艶めかしく舐めまわし、店の支配人のような老齢の男性はそれを物陰から眺めながら自らの性器をしごきあげ恍惚の表情とともに白濁したものを発射するのですからまともなはずもなく

なんかもうどちらがメインなのかわかったものではありませんが、監督の構想上は時間さえ許せばあと2つくらいお話を追加し、そのうちのひとつは男性の射精がドレスにかかりそれが乾くと銀色の模様になり、その模様の美しさに買われて行くというものだったそう、いいぞもっとやれ

最近ちょっと映画欲が涸れつつあり、面白いものを見てもつまらないものを見てもチンコがピクリともしなかったのですが、これは久々に貪りつきたくなるくらい夢中になりました
オススメはしないけど大好き
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