ゆう

初恋のゆうのレビュー・感想・評価

初恋(2020年製作の映画)
4.3
めちゃ面白かった。三池監督作品。

普通にタイトルとジャケット詐欺で、甘酸っぱいラブストーリーかと思いきやゴリゴリのヤクザ映画でグロシーンもあったりする。

余命宣告を受けたボクサーが身売りされた女性を助けたことによりひょんなことからヤクザの抗争に巻き込まれていく話。

何よりもまず、キャストが豪華で脇役の演技が凄い。特にベッキーと染谷将太。ベッキーめちゃくちゃ強くて笑ってしまうし、染谷くんはかなりのイカレ野郎っぷりで爽快感すらある。バイオレンス多めの映画だけどこの2人の怪演がブラックコメディ感を出していて良かった。

ストーリーも予想を裏切る展開で面白い。刑事とチンピラが企てる犯罪が、HUNTER × HUNTERのキメラアント編での王宮突入時並に予想外の出来事が起きて上手くいかなくて笑ってしまった。染谷に演じる加瀬が普段はカッコつけているのにいざと言う時に間抜けなのがシュール。

昔ながらの仁を重んじる内野聖陽演じる権藤も渋くてかっこいいし、チャイニーズマフィアもいい味出してる。

ボクシングに励むシーンが冒頭と終盤で微妙にカットが違うのが主人公の成長を表しているようで良かった。それに、途中アニメーションを挟んでくるのもぶっ飛んでるし、パトカーが多すぎなんよね。

ラストの静かなカットも良かった。冬の静けさ。雪というものが全てを許してくれる気がした。
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