余命いくばくもないボクサーとヤク中の少女との道行きの恋にヤクザの抗争が絡んでくる先の読めないクライムコメディーで、今まで観た三池崇史作品で一番面白かった！
全ての出来事が少しずつボタンのかけ違いみたく歯車が狂っていく展開に引き込まれて、三池監督らしい泥臭さとゴア描写がそれを盛り立ててた。
主役二人が素晴らしく、特に小西桜子がセリフ少ないながら雰囲気がとても良かった。ベッキーの振り切れた怪演もエグかったし、役者の無駄遣いが全くなかったのはすごいね。
本作のベッキーは「脳男」の二階堂ふみを連想させて、ゲス不倫騒動から「麻雀放浪記2020」の不気味なアンドロイド役で人間すら一度捨ててからの復活ぶりがあっぱれ。
時々ギャグを挟んでくる緊張と緩和のバランスが良くて、「普通一人暮らしだろ！」のくだりは場内大爆笑だった。
途中で「デス・プルーフ」っぽいシーンがあったね。
題名はレオとユリそれぞれの初恋ってことだと思うけど、恋愛要素はちょっと弱い。ユリがレオのことを好きなのかどうかも曖昧な感じに描いてるのがモヤっとしたものの、絶望した人生の中で光を見つける話を軸に持って来たのは良かった。
