ぬまち

Massage Parlor Murders! (原題)のぬまちのレビュー・感想・評価

Massage Parlor Murders! (原題)(1973年製作の映画)
4.5
なんだこれ笑。

お洒落カフェみたいな音楽が流れる中、「マッサージ店殺人!」という物騒なタイトルが表示される冒頭からして、嫌な予感がプンプン。

NYの性感マッサージ店で嬢を狙った連続殺人が発生。2人組の刑事が捜査に乗り出すが、誤認逮捕を繰り返すポンコツぶり。しかも、若い方の刑事が店の嬢とねんごろになり、捜査そっちのけでSEXに溺れる(この場面の長いこと…)。そもそも主人公の先輩刑事も、妻帯者でありながらオキニの嬢をつくって捜査の合間に抜きに行くなど、甚だ共感できない人物だ。

そうこうしているうちに、犯人の動機が某有名サイコスリラー映画のそれと判明し、唐突に犯人が登場。ファミコンみたいな音楽が流れる中、衝撃の(笑撃の)クライマックスへ突入する。もはや作り手が演出という仕事を放棄したかのような強引な幕切れに、呆れをはるかに通り越して感動すら覚えた。

普通に見れば酷い作品だが、当時のNYの風俗を捉えた映像がリアルで『フレンチ・コネクション』みたいだったり、ジャズっぽい音楽がなかなかイカしていたり、あと意外と力の入ったカーアクション。やる気があるのかないのか分からない、珍妙な味わいが唯一無二の存在感を放っているのも事実だ。

疲れた時にはこういうデタラメな作品を見て一息つきたくなるのだ。
ぬまち

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