nori007

RUN! 3filmsのnori007のレビュー・感想・評価

RUN! 3films(2019年製作の映画)
3.5
池袋シネマ・ロサ、なんて素敵な映画館なんだろう。最終日のトークショーに行ってまいりました。待機列の時にも監督さんやキャストの方々、そして他の映画の方々が次々と来てなんとも素敵な空間でした。

今作は3つの短編集。気軽に見れるのだがちゃんと内容は濃いというお得感満載な映画。

「追憶ダンス」
人の記憶というものは曖昧なものである。ある人にトラウマとなった事柄もやった本人はまったく気がついていなかったり、印象深いエピソードも他人にとってはどうでもよかったり。こうした曖昧さをコメディにしてしまうところが素晴らしい。
しかも両者とも底辺で生きたいると思っているため劣等感が人一倍強い。こうした思いが大論争になっていくという。。。これシリーズ化しないですかね。。。

「VANISH」
現実に毎日、起きている失踪事件。彼らはいったい何処へ行ってしまったのか。
死体処理を仕事としているヤクザと、人を食べる謎の男。彼らは守るべきもののために仕方なくやっている事なのだが、この両者の利害が一致して。。。。
元々は長編を目指しているとの事で、短編としてはプロローグのような作品であった。そもそも「RUN!」の中でSFホラーは少々浮いてしまうのが気になった。

「ACTOR」
俳優は、どこまでが演技でどこまでが素なのだろうか。この映画は売れない俳優が徹底的に追い込まれて、その追い込まれた先に虚実がわからなくなってくる。
演技は演技でしかない。ただ猛烈な内なる感情が爆発する時。それはもはや本物よりも本物なのかもしれない。ロバート・デ・ニーロのトラビスが憑依しているのかもしれない。
nori007

nori007