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パリに見出されたピアニストのyokoのレビュー・感想・評価

3.2
ワタスの好きなクリスティンスコットトーマスと、そこまで好きではないがペシミスティック顔のおっさん、思い出した!マトリックス2に出てたフランス人役、ようはモニカベルッチの相手役、本来は嫌味な感じのおっさん(序盤で主人公を苦しめる知性派タイプの中ボス的な)だが今回は優しそうなおっさん。メガネとヒゲで誤魔化しているがヴァルツやfargo1のおっさん感は誤魔化しきれないぜ!個人的にこの人は悪役で観たい。キャットウーマンではハルベリーともども低評価を受けたらしいがああいう役が凄い好き。ちなあのハルベリーもすごい好き。

出だしのピアノより、そのすぐあとのイギーポップ調のLust for life的な曲に合わせて警官から逃げる小悪党的主人公wトレスポ的なテンプレだが好き。

原題にはピアノもパリも入ってないのだが、「パリに見出されたピアニスト」笑、日本人はパリもピアノも好きなのだ。もちろん私もだ!

アウトロー系天才とホモ味のある教育者の組み合わせはグッドウィルハンティングを思い出す。違いは友達にベンアフレックがいないのと、逆にクリスティンがいることだ。友達の設定はケツを叩くか、嫉妬して悪に引き摺り込むかしかないと思うが、あえてではなくこの作品はゆるい。

あとゴールというサッカー映画を思い出した。あの主人公みたいに手垢の付いてないつるっとした感じ。ベテラン俳優には出せない新人ならではの素晴らしさがマッチしている。

みなさんの1番好きなラフマニノフのあの場所、あの場所でわかるよね。あああの場所だ。あの場所を何回も練習で弾くので大変良い。

が、いやあ大味でした、主人公の闇、教育者の闇、シンママの闇、地元の闇、全部薄味のまま生ぬるい優しさのままフィナーレを迎える。ずっとうだまきながらベンアフレックがケツ叩いてようやく最後の最後で腰上げたマットデイモン、車に轢かれながら流血三昧で駆けつけたセッションのドラム。的やばさがどこにもなくて、彼女もできて一瞬過去の事件でフワッとするもののなんかまた良い感じになり、アウトロー天才特有の土壇場で実存揺らぎかと思いきや弟怪我ブーストで復帰。

バックアップでまじめに練習しといて、あいつ来いひんやん、やったーよしやるぞ!って思ってたら戻ってきた外部の人間に舞台上で交代させられる。控えピアニストの彼の方にしか目がいかないんだがwこれが音楽の素晴らしさというやつですか!!!

by サリエリ連合
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