ぽぽん

はちどりのぽぽんのネタバレレビュー・内容・結末

はちどり(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とても繊細だった。
まずパク・ジフちゃんにびっくり。
透明感しかないけれど、どこか脆いかんじがあって、目で語る演技をするすごい女優さんという印象を受けた。
韓国は家族第一優先の家庭が多いイメージあったから(これは韓ドラの見過ぎかも笑)、それと比べるとここの家族は歪んでるのかもしれない。
だからウニは基本的に他人には心を閉ざしていて、でも寄ってくる者には若干の期待して歩み寄ってみるも結局裏切られてその度に失望して。
そんはウニにとってヨンジ先生は初めて信頼できた人間で大きな心の拠り所で。
事故で亡くなってしまい、ウニの前からはいなくなってしまったけど、これからもウニの中ではずっと生き続けていくんだと思う。
ストーリーの中で全く好感を持てなかったウニのお母さんにとって自分のお兄さんがそうであるように。
誰かは誰かの大事な人なんだよな。 
その人が仮にいなくなったとしても、大事な誰かの記憶には刻まれ続けていく。

「あなたの知り合いの中で、本心まで知っている人は何人いますか?」
この問いに即答できる、揺らがない相手が一人でもいれば人生乗り越えていけるんだろうなって感じる。
それが家族でも友達でも全然関係ない年齢が離れた人であったとしても。
先生はウニな目の前からいなくなってしまったけれど、でももうウニはこれから先いろいろなことが起きても乗り越えて生きていけるんだと思う。
そこに希望の光というか強い力が込められているように感じた。
それは小さくか弱いだけでなく、確かな強さも兼ね備えるハチドリのように。
監督さんのタイトルセンスに拍手!

ウニ自身が心を閉ざして目を背けてきた人や世界に、目を向けれるようになったという終わり方も綺麗な結末で良かった。
人との出会いって奇跡だな。
ぽぽん

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