こじ

はちどりのこじのレビュー・感想・評価

はちどり(2018年製作の映画)
3.9
製作 韓国・アメリカ合作 2018年 138分 PG12
原題: 벌새 (House of Hummingbird) 
第69回ベルリン国際映画祭ジェネレーション14プラス部門受賞ほか、多数の国際映画祭で受賞あり 
 
韓国国内では2019年8月に公開、公開1ヶ月で観客動員12万人の大ヒットで話題に 
 
1990年代の韓国、社会や家庭ではまだ男性が優位・上位的な風潮、その時代の14歳少女の揺れ動く思いを描いた作品 

1994年、主人公14歳の少女は、両親と兄姉の5人で集合住宅に暮らしている 
両親は餅屋の切り盛りで忙しく、子どもたちと接する時間が十分でない状況 
そんなとき、少女の通っている塾に新しく女性教諭がやってくる 
悩みや想いを聞いてくれるその教諭に少女は次第に親しみを持ち始める...
  
1994年は日本で平成6年、バブルがはじけた後、少し落ち着いたあたり、男女雇用機会均等法はすでに施行されていたと言えども、まだまだ日本社会も男性社会の風潮が強かった時代である 

主人公の少女も思春期に入り、少し大人社会が見えてきた頃ではあるが、未熟さとのアンバランスが友達や恋人、両親や兄姉との距離感に影響してしまう
それをちゃんと理解してくれる女性教諭は彼女の唯一の拠り所になっていく 
 
国や時代は異なれど、子育てや親子関係はとても複雑で難しい、と共に女性教諭も諭していた世の中には「理不尽なことがたくさん」、主人公の少女はそんな社会の歪みを含めた多くのことを訴え叫んでる、そんな風に感じた 
 
思春期の少年少女、その年頃を持つ親御さんは勿論のこと、幅広い年代にぜひ観て頂きたい作品です 
 
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