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ブラック・ウィドウのTaBlraSAのレビュー・感想・評価

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)
4.1
延期に次ぐ延期で一時はもう劇場では観られないんじゃないかとさえ思ったがようやくの公開となりました。
本編開始前、スタン・リーの言葉とともにこれまでのMCU作品の名場面、エンドゲームの本国初公開時の劇場の様子、更に「今後のMCU展開」が怒涛の勢いで映されて興奮を煽る煽る。

さて、始まった本編。失われた少女時代と家族の描写を経て、おなじみのロス長官との会話から時系列が判明。ナターシャが一人で戦わねばならない、仲間を頼れない理由づけにもなってて上手いと思った。しかしソコヴィア協定は禍根残しまくりだな…
「サノスのアレ」から5年後の時点でもおそらく効力を維持してるのでかなりタチが悪い。

展開としてはかなり大味な感。かつて家族と呼んだ人々と再会、「両親」は未だにレッドルームの思想下にあったが家族の絆パワーで離反、それぞれ活躍の末レッドルーム崩壊、と。鳴り物入りで登場したタスクマスター、完全に打倒し得なかったのは設定上仕方ない事だったのかもしれないが、せっかくソ連版スーパーソルジャー出したんだから「技のタスクマスターvs力のレッドガーディアン、家族の力で親父が勝つ!」とかやって欲しかったなあ。

敵は宇宙人の軍団でもなければ超能力戦士でもないうえ作品の大半はスパイアクションやバトルよりもナターシャやエレーナの心情面にフォーカスを当てた作りになっていて、地味と言えば地味、だけど過去の派手なMCUとはまた違う良さがありました。

かつてあった家族の絆を取り戻し、更にもう一つの家族であるアベンジャーズも目的のために一致団結した、その果てにナターシャが自らの身を捨てて勝ちへの道筋をもたらしたのに、その結末にナターシャがいない、という事実がこの作品を見てさらに重くのしかかる。

おなじみのエンディング後のシーン、いきなり現れたエージェント風の女は何者?果たして2代目ブラックウィドウ(を名乗るかどうかはわからないが)エレーナの物語はどこに続いていくのか…
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