『私にも"本物"だった』
幼少期より偽りの親子の形をとりながら潜入作戦を行なっていたナターシャと"家族"は、任務終了に伴い離散するが、20年を経てある目的を機に再び集結することとなり…というお話
「エンドゲーム」で命を賭して世界を救ったブラックウィドウことナターシャ・ロマノフの、「シヴィル・ウォー」でのアベンジャーズ対立後の出来事をスピンオフ映画化
監督さんは「さよならアドルフ」の監督さんですね、毛色が違いすぎてなぜ抜擢されたのかよく分かりませんが、結果オーライだった気がします
そういえばなんとなく主人公が女性で、その孤独感と憂いは「さよならアドルフ」に似た殺伐さがあったような…
オープニングはドラマチックにカバーされたsmells like teen spilitと、ナターシャの少女期を断片的に切り取ったと思われる映像の、名作Sevenのような非常に不穏なスタートです
始まっちゃえば物語的には割と爽快でコミカルなので安心してください(´◡͐`)
でも、ナターシャはもういないんだ、ということを知った上で観ると色々と感慨深いです
それは孤独な暗殺者にも目的を一つにした大勢の仲間が出来たこと、そしてこんなユニークな"家族"がいたことを知って、ほんの束の間でも心穏やかな時があったように感じるからです
デビッド・ハーパー、レイチェル・ワイズ、フローレンス・ピューの演技も個性豊かでとても良くて、いつも寂しそうな顔のナターシャに少しだけ笑みを咲かせるのでした
いじり倒されまくる印象的な着地ポーズやポケットだらけのベストにもきちんと意味があったわけです(^^)
あとオルガ・キュリレンコの無駄遣いね、ビックリしたわ