風来坊

No.22 怒りのチェイサーの風来坊のレビュー・感想・評価

No.22 怒りのチェイサー(2018年製作の映画)
3.0
生活に困窮したレッカー車のドライバーは、強引な手段で仕事を得ようするが、弱肉強食のレッカー車ドライバーの世界でトラブルを生む事になる。カナダ製のサスペンスアクション。

警察から連絡を受けて先に現場に到着した者がレッカーの仕事を得る事が出来るという、早い者勝ちの一風変わったカナダのシステムに目を付けた設定は面白い。誰にでもチャンスを与えるというのは意図は分かりますが、業者同士のトラブルも生んでしまう諸刃の剣のようなシステムは興味深い。

最初は人の痛みが分かる良い青年の主人公だったのだが、格差で生活が困窮して人が変わっていく様子は恐ろしい…。
カナダのレッカー車の世界を通称"チェイサー"というらしいが、人の不幸を喜ぶ様子はもう人として終わってる…。ヤクザな世界で驚きます。

主人公の追い詰められていく感じと焦燥感は伝わってきます。しかし、それに費やすばかりテンポがイマイチで展開の面白さには欠けます…。終盤になってやっと危険な仕事争奪戦が始まるかと思いきやカーチェイスを少ししただけで盛り上がらない…。

貧困に苦しむ家族の悲喜こもごもと、カナダの独特なレッカーシステムが生む弱肉強食の世界は大変興味深いですが、結局は幸せは金かという虚しさ残る映画でした。
風来坊

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