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映画はアリスから始まったのeigajikouのレビュー・感想・評価

映画はアリスから始まった(2018年製作の映画)
4.7
膨大な取材と追跡に基づいた労作でとても見応えがあった。
アリス・ギイ本人が話している映像や録音も発掘されて、見ること聞くことができた。
情報が多くてちゃんと全部把握できたとは思えないから盤が出たら絶対買おうと思う。
映画界での女性の存在は隠されていたり忘れられていることが沢山あると思う。
映画だけでなく芸術全体でもそうだし、残念だが社会全体がそうと言える。
アリス・ギイが存命中にもっと評価や研究が進められるべきだったのが残念だが、今後フィルムの発掘、発見や修復、彼女の作品や仕事についての研究が広がり深まって行くだろう思うから楽しみだ。

『見えるもの、その先に ヒルマ・アフ・クリントの世界』のヒルマ・アフ・クリントは作品を自分で封印してしまったことで大権威であるMoMAの美術史が書き換えられるのにはまだ時間がかかりそうな気がするけど、アリス・ギイはすでにMoMAで特集上映も行われているし、現在に於いては映画史から忘れ去られた存在にはなっておらず、再評価も今後更に進むと思う。(現代アートにおけるMoMAの権威は強固)

私はアリス・ギイの作品をまとめてスクリーンで見る機会は2018年のアンスティチュ・フランセ東京のゴーモン映画特集までなかった。
本作見た横浜シネマリンでも限定上映したのだけど、ジャック&ベティの特集上映「フランス映画の女性パイオニアたち」で7アリス・ギイ作品集13作」を見た。今はYouTubeで彼女の作品の一部を見ることができるので参考にフィルマークスに登録されていない作品のリンクもアリス・ギイの作品の各投稿に貼っておきました(まだやりかけではある。今回の特集上映では上映されていない、この映画に登場した作品のリンクもあります)
しかしアリス・ギイの映画がいかに斬新で革新的であったかは、スクリーンで見ないと伝わらない要素も多いので、大きなスクリーンで上映される機会に巡り合ったら是非見てください。
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