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ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -のtomoのレビュー・感想・評価

4.2
ストーリーの流れは割合に淡々としており、こんな感じの展開になるだろうな、という予想から大きく外れることはない。基本的に悪い人はおらず、人間関係もそれほど拗れない。ヴァイオレットの過去や超人的な身体能力などを活かした派手な画や展開を挟むこともない。つまり、あらすじを言葉で説明しようとするとそれほど大きな盛り上がりがないのだ。
それなのにこれほど感動的で美しい物語に仕上がっているのは、小手先も衒いもなくひたすらに王道を行くような、美しい画、心揺さぶる演出、真っ直ぐな脚本、声優陣の演技等、作品を作り上げた一人一人が、一つ一つの要素を高いクオリティで積み重ねた結果だと言える。
公開直前に現実世界で起きた凄惨な事件の印象と否応なく結び付けられてしまいがちなのが惜しくなるほど、丁寧に作り上げられた作品。せめて見ている間は辛い事件を忘れて作品の世界に浸ってほしいし、それだけの力を持った作品である。
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