18世紀フランスのブルターニュ。貴族の娘と、その肖像画を描くために呼ばれた女性画家。次第に引かれ合うふたりの心の動きが、まなざしやポーズを通して雄弁に語られる。主要な登場人物が4人の女性だけという設定も、この作品の魅力を高めている。
美しい風景はもちろんのこと、音楽も秀逸。村の女性たちによるアカペラとクラップだけのコーラスには魂を揺さぶられた。
どれほど親しくなっても、二人は互いを「vous」で呼ぶ。そこにあるのは距離ではなく、尊敬とある種の諦観かもしれない。
久しぶりに映画らしい映画を観ることができて良かった。