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燃ゆる女の肖像のnnn1909のネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

○誰か教えてください○
タイトルにもなり、後のマリアンヌが絵画にもしたこの作品の象徴的なシーン、エロイーズのスカートが燃えるシーンでエロイーズとマリアンヌの心境がなぜ、どう変化したのでしょうか?
のあと、二人はキスをして恋愛関係になるので、この二人はスカートが燃えるシーンで「相手も自分を好いているという確信」「好きという感情が大きく膨む」「絵を描き終わるまで何事も無く過ごすことを諦める」と言った内面の変化があるはずですが、スカートが燃えるシーンを経てなぜそうなるのか、結びつきません、、、
誰か教えて下さい!
あと、堕胎のシーンとそれを描くシーン、どういう意味があったんでしょうか?




以下ネタバレシナリオ要約
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結婚を嫌がって自分の絵を描かせないエロイーズの元に画家のマリアンヌがくる。ミラノ男と結婚させたいエロイーズの母の要望で、「散歩の付き添い」のフリをしながらエロイーズを観察、絵を描き上げる。
マリアンヌは罪悪感から自分が画家である事をカミングアウトする。絵は完成するも、エロイーズと心的距離の遠いマリアンヌには魅力的に描けず、エロイーズに「自分の本質を捉えていない」と批判され失敗。

エロイーズは自らモデルをすると申し出、母が作品の出来を判断するという約束で描き直しに。
母が5日間外出をし、帰ってきた時がタイムリミットになる。

これまでマリアンヌは画を描くためにエロイーズを見つめ、惹かれてきた。エロイーズはモデルをすることでマリアンヌを見つめ、惹かれていく
互いのクセを言い合うシーンは、互いに「あなたの事を見ています(好きです)」という意味?

母の居ない間に2人は関係を深めていき、侍女のソフィーと3人でオルフェの話(振り返る事でパートナーが冥界に堕ちる)をする。

女性達が集まる祭。
炎がマリアンヌとエロイーズを隔て近づけない中、エロイーズのスカートに火が燃え移る。エロイーズがいなくなってしまうことを想起させ、その事に手出しをできない大きな力があるという事の暗示であり、マリアンヌはそれを強く認識したことで気持ちは一線を越える。(姉のエピソード以降、エロイーズには死を選びかねない危うさがあるが、その事と関係する出来事だったのかもとも思う。このシーンは幻想的、非現実的で、上記のような物理的な原因で現実的な心境の変化を表しているというのが少し違和感)

次の日2人は初めてキスをする。同時にマリアンヌは背後にウエディングドレスを着たエロイーズが立ち、振り返ると消えてしまうという幻影を見るようになる。これはオルフェをなぞりつつ、エロイーズがいなくなる事を恐れているという事。

赤ちゃんを傍に侍女の堕胎を二人で見守り、その光景を3人で絵にする(これもどういう意味があったのかわからない)

母がイタリアから戻り満足のいく絵が完成し、マリアンヌの仕事が終わる。
最後の夜、マリアンヌはエロイーズの肖像画を描き、エロイーズの本の28ページ目に自画像を描いて渡す。
マリアンヌが館を出ようとした時、ウエディングドレス姿のエロイーズが「振り返ってよ」と呼び止める。マリアンヌは一瞬振り返り、見た姿は幻影で見たそのものだった。そしてそのまま館を出る。

現在、最初の再会は絵画展、肖像画の中のエロイーズは子供と共に、28ページ目を開いた本を持っていた。最後の再会はコンサートホール、かつてマリアンヌが弾いて聴かせたヴィヴァルディの四季、夏を聴いている。対岸の先に座るエロイーズは聴きながら涙を流すがこちらを見る事は無かった。
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