蛇らい

燃ゆる女の肖像の蛇らいのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
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目線という映画における基本中の基本の仕草を劇中で幾度となく印象的に混じり合せ、ラストの再会に収斂していくシンプルで簡潔な帰着に驚かされた。

何よりルックに驚かされた。こんな質感の海と肌と炎を見たことがない。

カメラマンは女性のクレール・マトン。本作はRED MONSTRO 8K VVというカメラにLeitz THALIAというレンズを組み合わせ、撮影されている。映画自体は光の入り方などを計算し、7K撮影。被写体深度が深くなった時の周りのぼやけ方とピントの合い方が絶妙に滑らかで、真実味がありながらも柔和な印象。DVDだと魅力半減の可能性あり。

最近で言うと、『るろうに剣心 最終章 The Final』でも同様のカメラが使用されているらしいが、全く別の画に感じる。やはり、レンズとの組み合わせ、照明、カメラワークが相乗効果を成して生まれた結果なのだろうと感心させられた。

これを機に、エンドロールにクレジットされているカメラメーカーにも注目してみようと思う。
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