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燃ゆる女の肖像のuyuyuのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
3.6
かなり前にDVDで観たのだが、これは映画館で鑑賞したかったな。映像がとても美しかった。
3人の女たちの連帯の話であるとともに、「ミューズ」について深く考えさせられた。監督(女性)のシアマにとって、主演のエネルは「ミューズ」であるとか言われてたらしいけど、監督はそんな概念を明確に否定しており、それがこの作品の中のマリアンヌ(画家)とエロイーズ(モデル)の関係にもそのまま反映されてるんですね。ああ、快哉!
映画監督(男性)とある特定の女優の関係、芸術家(男性)とある特定のモデルの関係…それを「ミューズ」とかいうアレ、ヌーヴェルヴァーグの頃からずーーーーーっと気持ち悪かったんですよ。今でもあるけど。
そのへんについて書かれてるこの記事がとてもおもしろかった。まさにこの通り。ミューズ幻想、撲滅したい。


『燃ゆる女の肖像』が終止符を打つ「ミューズ」という概念
https://www.elle.com/jp/culture/movie-tv/g35080140/adieu-parisiennes-by-risa-furutachi-vol6-210113/

(抜粋)
「芸術家とミューズ」の関係…(中略)
自律した人格や感情を持つ他者としての女性を愛しているのではない。
自身の「傑作品」であるから愛するという、肥大した自己愛の延長だ。
(しばしば弱く劣った存在の)女性を「理想の女」に育て、彼女(たち)を妻や愛人とするグロテスクな欲望を、「ミューズ」という美辞麗句で取り繕っているにすぎない。
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