やっぱり映画が好き

燃ゆる女の肖像のやっぱり映画が好きのネタバレレビュー・内容・結末

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

18世紀フランス、画家のマリアンヌと貴族の娘との禁断の愛を描いた物語。

ずっと絵画を見ているような美しいシーンの連続。
特に召使の女性の肌ツヤと顔立ちが、昔の絵画からまんま飛び出してきたよう。
エロイーズを目にしっかり焼き付けようと、彼女の耳の産毛まで見落とさないよういつしか私もマリアンヌ目線になっていた。

全体を通して静かで厳かな雰囲気だが、女性達の怒りやプライドみたいなものが根底に流れているようでフツフツとしたマグマの様な熱さを感じた。

そして効果的に使われる音にも注目。
キャンバスに走らせる筆、衣擦れ、波、焚き火、吐息… 耳も敏感になっていく。

28とラストのエロイーズの表情、震えが彼女の胸のうちを表しているが、それでも視線を交わそうとしない彼女… 美しい思い出として墓場まで持っていくのか、そんな覚悟を感じた。