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燃ゆる女の肖像のcocoのレビュー・感想・評価

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)
5.0
とんでもない映画を観てしまった、一言で表すとそんな映画でした。
これから一生この映画のことは忘れないし、この映画を観る前と観た後とで私の映画人生は少し変わるんだろうなと。

前々から気になるなーとは思っていたものの、タイミングを見つけれず、、
そんな時ふと観てみようと衝動が突き動かすままに鑑賞しました。
このタイミングで、今の私が観ることが大切だったんだなと鑑賞後に感じました。


「目は口ほどに物を言う」
この言葉の通り、2人の視線が全てでした。
お互いを熱く見つめ合う視線や愛おしく見つめる優しい視線だけでなく、交わることのない視線も愛がなすもの。
ラストシーン、ヴィヴァルディの音楽の中でそれとリンクするように変化するエロイーズの表情と呼吸、それらを捉えるカメラワーク。
エロイーズと同様呼吸や鼓動が早まり、時間がとても長いものに感じる。
こんな経験2度とないかもしれないと思わせてくれるようなシーンでした。

前述したヴィヴァルディの夏、そしてオルフェの神話が本作での伏線として使われています。
綺麗にバチっとハマる伏線ではありませんが、2人の愛の解釈や受け取り方を考えるヒントになるような伏線でした。
劇中でオルフェの詩の解釈が人それぞれ違ったように、本作の解釈も観た人の数だけあるんだろうなと。
そこが映画の醍醐味だなと再認識しました。
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