燃ゆる女の肖像のひでぞうのレビュー・感想・評価

素晴らしい。まなざし、息づかい、震え、おそろしいほどの緊張感。眼がはなせない。男女の恋愛では、もう、こうした地点を描くことはできないのだろうか。当時の「禁断」という枠組みがこれを可能にしているのか。これ以降、映画の文法は変わったとさえ思う。一切の無駄を排して、最後にのこるわずかなものだけで、これほど豊穣な物語を描くことが可能なのだ。