憑かれたように、クシシュトフ・キェシロフスキ の作品群を観てきた。トリコロール三部作、ふたりのベロニカ、そして、デカローグというように、第6話 ある愛に関する物語61分まで視聴して、ひと休み。やっぱ>>続きを読む
これを見ずに、戦争を語ること勿れ!
現在も起きている<戦争>を垣間見ることができる。
このときの戦争の固有な条件<ベラルーシ、パルチザン、ドイツ軍など>とは別に、普遍的な条件<軍と市民、地上戦、人>>続きを読む
これを見ずに、基地を語ること勿れ!
なぜ、沖縄に基地があるのか、アメリカの基地はどんな意味があるのか、基地はなぜなくならないのかなどなど、ここで示されたいくつもの知見が多くの人に共有されてこそ、次の>>続きを読む
おいおい、なんだろな。ほんとに、脱力。でも、楽しい。しかし、ロジェ・ヴァディムの女性遍歴はなんだろな。18歳のブリジット・バルドーと結婚し、20歳のカトリーヌ・ドヌーブとの間に一子をもうけ、そして、こ>>続きを読む
西部劇的な風景の捉え方が良い。さすがリドリースコット。知らないあいだに、テルマ&ルイーズ に共感する。女性版ボニー&クライドだ。もう誰かが言っているだろうな…。
現在から見ればとても古くさく、物語も、陳腐に見える。でも、なにか、人間の手触りで映画を作っているような、味わいがある。いずれにしても、ヒラヒラした衣服のジェニー・アガターを目で追ってしまうな。おそるべ>>続きを読む
ドン・シーゲル『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)が原作の時代に近いがゆえに、「盗まれた街」を逃れて、救いを求めることができるのだろう。しかし、1978年のサンフランシスコに設定すれば、こ>>続きを読む
カルト的な人気を得ているだろうな。菩薩のような、魅力的な女の子だな。ほんと、純愛。ボーリング場での「ムーンチャイルド」は出色のシーンだ。これを観るためだけでも意味がある。
ジョン・ハートの姿が、身に迫ってくる。言葉の指し示すことがなくなってしまう。意味を失う。現在でも静かに進行していることだ。
小気味の良いロマチックコメディだ。やっぱり疲れたときは、こういうスクリューボール・コメディが一番だ。
素晴らしい。一つの無駄もない。いうべき言葉が見あたらない。監督ウィリアム・ワイラー、脚本ダルトン・トランボ、主演女優オードリー・ヘプバーン、男優グレゴリー・ペック、どれ一つ欠けてもこの大傑作は生まれな>>続きを読む
既視感がある。深夜テレビでも観たのだろうか。この恐怖感。ディテールまで記憶していることに、この映画の凄さがある。
いささか公式的ではあるが、時代状況が的確に描かれている。「村八分」の原理は、現在においても、生き続けている。
こういう緊張感で終末にまで持続しながら展開出来ることに驚く。さすがである。フィルム・ノアールの古典。ジェームズ・キャグニーの迫真の演技。言うことなし。
シングル・マザーのもとに、鬱屈した日々と過ごす女子高生ジョー。なぜ、うまくいかないのか、これからどうなるのか、母親の自堕落な生活、その男の傲慢さ、そうした鬱屈する要因が丁寧に描かれていく。しかし、それ>>続きを読む
メンツェルのユーモア、ペーソス、シニシズム、そして、反骨精神(全く堅苦しくない)、すべてが詰まった素晴らしい作品。ナチス占領下のなかの抵抗運動を決して神話化しようとはしない。等身大の生活と、そのなか>>続きを読む
大傑作。グレース(キッドマン)の穏やかで、沁み透るような語り口。そして、町の人々が次第に牙を剥きだしてきても、決して抗うことなく、受け入れていく。その姿は、聖女としてあった。それは性的な要求に対して>>続きを読む
中国の戦後、1953年から文革初期の1967年までを、普通の人々が過酷な政治の時代をどのように生きたのか、丁寧に、詩情豊かに、そして冷徹に描いた傑作。反右派闘争、大躍進時代、文化大革命、そうしたうね>>続きを読む
素晴らしい。まなざし、息づかい、震え、おそろしいほどの緊張感。眼がはなせない。男女の恋愛では、もう、こうした地点を描くことはできないのだろうか。当時の「禁断」という枠組みがこれを可能にしているのか。こ>>続きを読む
戦中のニュース映画などを用いて、その背後にあった、戦争の「真実」を抉り出した作品。現在の視点からみれば、ナレーションなど、直截に過ぎ、共感しにくいかもしれない。しかし、1946年の段階で、こうした手法>>続きを読む
大傑作。信仰とは何か。神は私たちを救いうるか、究極的な問いを究明しようとする。無垢な、純粋な、子どものような、あるいは、「障がい者」のような、その純粋さと、それを押しつぶし、抑圧する社会というシステム>>続きを読む
「現実」と「虚構」はどのように捉えられるのか、「真実」と「虚偽」はどのように現れるのか。映画は、そうした問題をどのように切りとり、描くことができるのか。「歴史的名作」が、バラバラに解体され、ジジュクの>>続きを読む
高校の哲学教師というあり方が好ましい。フランスには教科書の使用義務はない。だから、教師が自ら教材をつくるし、ナタリーのように、教科書をつくることも可能だ。彼女の授業は、ゆっくりと物事の根源的なところ>>続きを読む
レジスタンスの直線的で英雄的な人間像からでは、ルシアンの姿は視野に入ってこないだろう。ルイ・マル監督の優れた人間理解に感銘を受ける(脚本が素晴らしい、あのノーベル文学賞を受賞した、パトリック・モディ>>続きを読む
まず、前半部、これはコメディだ。クレアを中心に、敵も味方もごっちゃになって、みなその周りで仲良くなる(クレアと愉快な仲間たち)。辻褄があわなくとも、コメディなのだから目くじらを立てることはない。ただ、>>続きを読む
「The Bride Wore Black」:Mr Fat - W Video(販売元)版で視聴した。海賊版のような画質の悪さにはがっかりしたが、英語の字幕があるので、なんとか見ることができた(日本版>>続きを読む
実生活と映画のなかの時間は全く異なっている。わかってはいても、映画には現実生活以上のテンポと、速さを求めてしまう。人生を描くにしても、シーンから次のシーンへと一挙に時間が過ぎることに疑問に感じない。し>>続きを読む
賭けること、その魅力を「贅沢と貧困の両方を味わえること」と喝破した、ジャッキーの潔さ。ファム・ファタールとしてのジャッキー、ジャンヌ・モローのなんと魅力的なことか。ジャック・ドゥミ監督が「この映画で最>>続きを読む
これは、凄い映画だ。一見すると、退屈で、何を言いたいのか、何が表現されているのか、理解できない。しかし、この映画は、スーザン・ストレンジの「カジノ資本主義」の行き着く果ての「憂鬱」を見事に捉えている。>>続きを読む
野川由美子の凄みが堪能できる。忠実に原作を再現しようとしているが、ただ、原作では、春美は日本人慰安婦ではなく、「大陸と地続きの一角の土地生れ」(占領下のため、明確に朝鮮と書けなかった)で、源氏名が「春>>続きを読む
春美が唐突と見えるほどに、積極的に三上上等兵にアプローチするところや、「三上」と呼び捨てにするところに、えらく違和感が残った。しかし、原作を読めば、春美は日本人ではなく、「大陸と地続きの一角の土地生れ>>続きを読む
ファム・ファタールとしてのギルダ(リタ・ヘイワース)という点では、確かに、長い黒髪と洗練されたドレス、そして、何よりも、その歌声とダンスは、惹きつけるものがある。特に、ギターを弾きながらの「Put >>続きを読む
感動すら覚える。この映画は、ラジー賞をはじめ、最低映画の代名詞として扱われるが、しかし、ここで描かれる世界は、決して扇情的なものではない。ラスベガスのショービジネスにおける、ヌードダンサーの世界と、そ>>続きを読む
素晴らしい、驚いた。高峰秀子の凄み。『二十四の瞳』とも、そして、傑作『浮雲』とも異なる、全く別の女性像を構築する。女優とはかくあるべし。八の字の眉毛、下から見上げるような卑屈な視線、だらしのない歩き>>続きを読む
凄い、1980年、同時代のオランダの若者たちの姿を描く。アルコール、セックス、暴力などなど、無軌道で刹那的な瞬間を生きる。そして、自分がどうなるのか、どうしたいのか、その不安や欲望に揺れ動く。自分探>>続きを読む